中野の集合住宅
data
| 竣工 |
|2026年 |
| 所在地 |
|東京都杉並区 |
| 用途 |
|共同住宅 |
| 規模 |
|WRC造・地上3階 |
| 延床面積 |
|1079.80㎡ |
| 戸数 |
|14戸 |
| 意匠設計 |
|株式会社アラキ+ササキアーキテクツ |
| 協働設計 |
|hiro nakata atelier |
| 構造設計 |
|株式会社ブレン設計事務所 |
| 設備設計 |
|加藤設備設計事務所 |
| 施工 |
|小俣建設株式会社 |
| photo |
|imagegram inc. |
ー繋がりのある暮らしー
東京都杉並区、高円寺駅と中野駅の中間に位置する閑静な住宅街に計画した集合住宅です。敷地は、近隣住民が両駅へ向かう生活動線上にあり、日常的に多くの人々が行き交う場所に位置しています。
計画地は、道路に面する間口が約16mであるのに対し、奥へ進むにつれて最大約34mまで広がる特徴的な偏平敷地でした。その形状は、蛸壺や土中の巣穴を思わせるものであり、私たちはそこから洞窟や蟻の巣のような空間構成を着想しました。
洞窟や蟻の巣は、小さな入口からは想像もつかないほど内部に多様な居場所や複雑なネットワークが広がっています。その構造は、個性的な店舗や文化、人々の活動が路地の奥へと連なり、歩くたびに新たな発見に出会える高円寺の街の魅力とも重なります。
本計画では、小さな入口の先に多様な居場所が連続する構成とすることで、高円寺が持つ奥行きのある都市の豊かさを建築へと読み替えることを試みました。
道路側のファサードは、古くから用いられてきた杉板型枠コンクリートによって構成しました。開口部を抑えた量塊的な表現とすることで、防犯性やプライバシーを確保すると同時に、時間の蓄積を感じさせる街並みに呼応しています。
一方で、住人がアプローチを抜けると景色は一変します。建物の中心にはアースカラーに包まれたコモンステージを配置し、住人同士が自然に顔を合わせ、交流が生まれるコミュニティの核を計画しました。
閉じた外観の内側に、多様な活動を受け止める共有空間を内包することで、洞窟や蟻の巣のような内部世界を形成しています。
また各住戸には、寝室とは別に「ホビールーム」を設けました。在宅ワークや創作活動、SNS配信など、多様化する現代のライフスタイルに対応するとともに、オンライン上での発信や交流を支える個の拠点として機能します。
コモンステージが人と人とのリアルなつながりを育み、ホビールームが場所を超えたオンライン上のつながりを支えます。本計画では、街との関係性から住人同士の交流、さらにはデジタル空間へと広がる複層的なネットワークを住環境の中に取り込みました。
外部からはうかがい知ることのできない豊かな関係性を内包する、小さな都市のような集合住宅を目指しました。